卒業(ONE MORE)

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卒業 其ノ参

東風吹かば、にほひおこせよ、梅の花主なしとて、春な忘れそ。世は春の宴を謳歌する季節。桜は満開で、散りゆく時を、忘れているかのようである。桜よ、そして愛しの君よ、いざ咲き誇れ。例え、一瞬でもいいから~「時よ止まれ」桜の花に負けず劣らず、光り輝く君の姿を、永遠にこの瞳に焼き付けておくために…。

卒業 其ノ伍

桜の花が散り、春が去り往く。学生時代に終わりを告げる時、麗しき可憐な少女は、大人の階段を一歩昇ってゆくのだろう…。眩いばかりに艶やかな袴姿を身に纏い、颯爽と歩く乙女。だが、その晴れやかな着物を肌蹴た瞬間、たわわに実った見事な隆起が私の胸を打つ。そう、彼女はこちらが思った以上にもう、大人の女になっていたのだ…。

卒業 其ノ六

そぼ降る雨の滴に照らされて咲き誇る紫陽花が眩しい季節がやってきた。たった、二ヵ月程前の事なのに、彼女との淡い記憶は、もはや思い出の壱頁になろうとしている。純粋無垢のまま社会へ羽ばたいて行こうとした彼女に、大人の垢をつけようと立ち止まらせた私であった。ところが…無垢さの裏側にある貪欲な色香に思わずたじろぐ私。自ら腰をくねらせ、真ん丸の尻を押し付けて来る仕草は、もはや立派な女の佇まいそのものであったのだ…。

卒業2 其ノ壱

―春が過ぎ、夏がゆく。そして、季節は巡り、秋がやってきた。るいの卒業式を一緒に祝ってから、早いものでもう半年の月日が流れた事になるとは、本当に驚いてしまう。清廉とした佇まい、凛とした表情、それに、透き通るように白い肌…。彼女との思い出の全てが鮮明に残っていて、まるで昨日の事のように思えてくるのだった。切なくて、仕方ないけれど、また時が流れれば、この淡い思い出もやがては薄れ、そして、消えてゆくのだろうか?願わくば、愛しき女性、美しき君の残像が消えぬよう、時間よ、止まれ…。

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